破壊ランナー

あれは幻か?妄想か?
いや紛れもないあれは現実だ。

だとしたら伝説だ。俺たちは伝説を見た。
ソニックランの歴史、
人類の歴史の1ページが塗り替えられた、
その伝説を。


俺たちの!!!チャンプ!!!!!
豹二郎ダイアモンド!!!!!!!!




──みたいなことをリッチモンド財団経営の居酒屋(バーではなく)でジョッキ片手に興奮状態で一晩中まくし立てて泣いたり笑ったりしてるんじゃないかなぁと思うんですよ。あの音速のレース、2707年のワールドシリーズ終戦、アトランティック・サーキットの伝説を目の当たりにした観戦者たちは。
あんなレースを見せられたらそりゃ総立ちになりますよ。あんなに美しい光景、誰かに語りたくもなる。
そして2017年の破壊ランナーを観劇…いや観戦した私もまた、同じような興奮と疲労感に包まれて会場を後にすることになって。
そしてこうしてつらつらと言葉を連ねている。
丁寧な舞台写真入りレポはもう存在するので『破壊ランナー』とはなんぞやという方にはそちら(観劇予報 : 池田純矢ら20名のレーサーが音速を超えて躍動する!『破壊ランナー』ついに開幕!)をご覧頂くとして、思わず伝説を語りたくなった観戦者のうわごとをここに記すことにする。


不朽の名作を、演劇界の伝説を、この2017年にナマで観られる幸運に感謝。




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あらすじ

──西暦2700年。
生身の人間による音速レース「ソニックラン」、8年連続のワールド・チャンプ、前代未聞の99連勝中のチャンピオン・豹二郎ダイアモンドは苦悩していた。
1.71音速という理論的限界を達成してすでに数年が経ち、もうこれ以上走る意味を見つけられない。そんな彼の前に理論値を超え、1.75音速で走る前代未聞の新人ランナー・ライデンが現れた。
それは豹二郎にとって、絶望なのか、それとも希望なのか?
答えのでないまま再起不能の大怪我を負った彼は奇蹟のカムバックを信じ、たったひとり、マンハッタン遺跡の砂漠でトレーニングを開始した。
果たして豹二郎ダイアモンドは復活し、自分の力で限界を超えることができるのか?
ライデンが1.75音速を超えることのできた秘密とはなんなのか?
人類の可能性を掛けた灼熱の戦いが、
今、サーキットの上で始まろうとしていた──





以下、バレありです。
4/22(土)ソワレ観劇。


今回の改稿はシンプルなものになった、というシャトナーさんのツイートを目にしてとても楽しみにしていたんだけど、実際に目にしたそれは色々なものが研ぎ澄まされた、しかし紛れもない『破壊ランナー』だった。

好き。
すごく好きです。
シャトナー作品の再演は同じものを再現するのではなく、過去の上演の続き。
稽古場で、あれを試してみよう、こう変えてみようと試行錯誤するのと同じように、その上演の度に脚本に手が加えられ、それによって見えてくる関係性も変わる。

5回目の上演となる今回はオールメール……全員男性キャスト。
ピスタチオ版、および2012年版(つまりこれまでの4回全て)において豹二郎ダイアモンドとヒロインであるリンコ・スカイウィングの関係性は『恋人』だった。今作では男性の“リコ”となり、『師匠と弟子』という絆を強く感じた。
それは豹二郎よりも幾分と長身の男性であり、落ち着いた(あるいは達観した)雰囲気を漂わせる村田充という役者による存在感が大きいのだと思う。
豹二郎にソニックランを教えた、かつてのワールドチャンピオン。一度は超えたその壁を、機械化手術を受けて再び立ちはだかった壁を、彼を救うために必死で走った豹二郎は破壊して、そして遥か彼方へと去って行った。

リンコが男性版の破壊ランナーは実は以前にも観ていて、2014年に関西の劇団patchが上演した(惑星ピスタチオの所属だった末満健一による潤色脚本・演出)(このために日帰り弾丸遠征した)際には、豹二郎の親友、スガタ・ハイウィンドとして描かれていた。これはきっと、まだ劇団を結成して2年の若手俳優たちで演じるからというのはあったのだろうけど、その記憶を呼び覚ましてみても、描き方でこうも印象が違うのかと驚いた。(その若さと勢いがまた良かったなぁと満足していたので未だに円盤が出なかったことが残念である)(主演の竹下健人くんが髪型を腹筋さんの豹二郎と同じ矢印カットにしていてすげぇ…意気込みが違うぜ……と息を呑んだ記憶)(なお本日Patch結成5周年、おめでとうございます!)


これが現実になって嬉しい。
確かに違ってた。



嬉しいといえば。
黒川フランク。不気味な妖艶なプロソニックランチーム「AROI」のオーナー。兼崎フランクはほんっとねちっこくて最高に黒川フランクでしたね!!!これよ、これぞ黒川フランク。ひと月前までペダステで銅橋やってたとは思えない変身ぶりで、役者ってほんとすごいわ……
そしてその上司を演じたのがこれまでの全ての黒川フランクを演じてきた保村大和さんで。あぁまた大和さんのスタンプぺったん、スタンプぺったん、ラララララ〜♪が聞けるとは思わなかった。レースに参加はしないだろうからまぁ出るならここしかないとは思っていたけど。ありがとうタイベリアス提督。ありがとう中央防衛局。ありがとう中央郵便局。
(ところで稽古場動画で言ってた「アタシいつまで分岐点にいればいいの」が今めっちゃ気になっている)
中央郵便局新人(トゲトゲ)として無茶振られた宮下さんのキレッキレのスタンプぺったんも最高だった。なにあれ(褒めてる)
なおこのアドリブシーンはこの作品の伝統ていうか鉄板だと思ってほしい。かつては佐々木蔵之介がスパイクをやっていたのだよ(今でも落ち込んだ時に観ると元気が出る)
ライデンがたー様と聞いてランニングフォームの美しさはもう間違いないと踏んでいたけれど、実際に走っている様子をこの目で見て惚れ惚れした。リッチモンド三兄弟の乱れのない動きがかっこよかったな~一族増えすぎてて笑った。
そして天羽君のしなやかで強靭な動きをするピラニア。ピラニアで天羽君のキャスティングなら絶対バレエの要素が入るだろうと思っていたのでその美しい動作を昨年の飛龍小学校に続いて見られて嬉しかった。今回の改稿で背景も深く掘り下げられていて、彼の悲しき運命を少しクスッとさせる手法で描いたのはさすがだなぁ。
ドルビーとダイクス、ランナーではないエンジニアの彼らにも矜持があって。
これまでの解説は早井速三ひとりだったのに、今回はC3-9000というライバルも加わって、最終的に人間とロボットの熱い友情が描かれるのもぐっときた。あの大量の早口台詞、ほんと大変ですよね……


「太古の人類が神々の前で速さを競う祭壇のようなスタジアム」とオーダーされたという八百屋舞台以外に明確なセットもなく、小道具もない。それでもなおあの世界にぐっと入り込んでいける。
群唱で「あぁこれよ……」と感極まり、クラウチングスタートからのレーススタート、そして音速走行への突入……そこから繰り広げられる熱いレース。私はあの一連のオープニングが大好きなんだ。美しい。ドキドキと胸が高鳴る。
そしてまた照明がこれでもかと美しい。美しさの暴力だ。かかる音楽が心と身体を震わせる。肉体を駆使した役者たちの渾身の演技。
細かな部分が変わっても、本質は変わらない。
初演は24年も前の作品なのに今でもこんなに楽しめる。

はーーーーーー……
今年の破壊ランナーも最高でした。

是非、劇場で、生で、自分の目で、身体で、体験してほしい舞台です。
パンフのお写真めっっっっっちゃぐっとくるしサーキットコース図と解説ついてくるし群唱載ってるし至れり尽くせりでやばいので是非買って。あと8月に円盤発売するのでどーーーしても都合つかない方はそちらで伝説を目にしてほしい。
4/30まで、Zeppブルーシアター六本木です!!!!
当日券あります!たぶん結構余裕です!!!!!悲しい!!!!!!


youtu.be




(ところで制作の方…聞こえますか……あなたの心に直接問いかけています……先行で全景席を売るのです……確実に席を取りたいけれど初見はかぶりつきの最前方より全景で観たいのです……あえてそういう選択肢を増やしていただけないか…御一考をお願いします……)


あと公演中にキャストから2人もご結婚の話題が出てとてもとてもめでたいのだけど、2人目は特に配慮も何もないすっぱ抜きでさらに平日唯一のマチソワだってのに本番前に囲み取材に応じなきゃならんとかは~~~~~~くそか~~~~~~ってもやもやしてしまうから報道する側はやめろください。
鎌苅さん、みつぅさん、ご結婚おめでとうございます。

どこまで羽ばたくのか見届けたい──BABYMETAL

「はぁ…………???SUKI……」


名前だけは知っていた。アイドルとメタルがコンセプト?らしいということも。その時はアイドル戦国時代ってのはすごいな〜〜〜なんでもあるんだな〜〜〜とぼんやり思っていた。それでもその名が流れてくるのがTLのメタラーからであるというのが気にはなっていた。2013年の話だ。
初めてその姿を見たのは映画館で『パシフィック・リム』を観た時で、メタリカ主演の映画『メタリカ・スルー・ザ・ネヴァー』の予告CMに3人が出ていた。赤と黒の衣装で、可愛い女の子。あぁこれが噂の。パシリムはくそ面白かった。
ちゃんと音楽を聴いたのはその年の大晦日、2013年12月31日。今年やり残したことはないかなと振り返って、ふと思い出したのだ。
『BABYMETAL』の名を。


ということで、しきさん主催の #おたく楽しい に飛び込ませていただいて好き勝手にBABYMETALについて語ります。

www.adventar.org


今でこそ多少、三次元アイドルについて分かるようになってきて、ゆるっとふわっと気にかけたりしているけれど(FNS歌謡祭のアイドルコラボ良かった…)、当時は正直よくわからなかったんですよね。なんかいっぱいいすぎて。二次元の担当アイドルはいたんですけど。多田李衣菜*1って言うんですけど(営業)
その頃主に通っていた現場はアイドルとは程遠く、バンドコンセプトも楽曲も一貫した世界観が特徴の“妖怪ヘヴィメタルバンド”『陰陽座』でした。妖怪とか民俗学とか京極夏彦とかバジリスク甲賀忍法帖〜とか物語音楽とか和装とか好きだったり心に厨二を飼っている人にオススメのバンド*2なんですが閑話休題、その辺りの繋がりのメタラーさんからちらほら名が出てきてたんですよ。

そんなこんなで最初はまぁお約束の「アイドルとメタルねぇ……」などと思いながらYouTube開いて、公式が公開していた彼女たちのメジャーデビュー曲だという「イジメ、ダメ、ゼッタイ」のMVを軽い気持ちでクリックした。ら。
イントロで、見事にやられた。

www.youtube.com

クサい……クサすぎる!!!!!
こんな恥ずかしげもなく大仰でドラマチックでド直球なメロディをもってくるか!!??
おい…………………最高かよ……(撃沈)
イントロだけで突っ伏した。こういうメロスピみんな好きだろ?私は好きだよ!!!そして流れてくるのは透き通る、真っ直ぐ伸びる歌声。上手い。それがSU-METALとの出会いだった。メタル好きだけどデスボイスよりはクリーンボイスを主に好んで聴いていたので、いや〜〜〜〜ほんとツボだったんですわ(真顔)合いの手を入れる両脇のYUIMETALとMOAMETALがまた天使みたいで可愛いし、この合いの手がなんだか癖になる……
それから延々と公式の動画をリピートし、気付けばその日のうちにBDをポチるという有様である。
次のライブ予定を確認すると3月に武道館2days。
えっ、気になる………行きたい………行き……行きます!!!!!(決意)
三が日明けてからアスマートで黙示録を購入。APOCALYPSE(現:THE ONE)に登録してメンバー限定二次先行へ滑り込み、私は無事に武道館2days、赤い夜・黒い夜両日の切符を手に入れたのだった。
~第一部 完~


結論から言って武道館2daysはめっっっっちゃ良かった……

武道館の客席(両日スタンド席だった)に入った途端、目に飛び込んできたのは巨大魔法陣のセンターステージ。ファーーーーーー!!アミューズ!金持ってるな!!心の厨二が疼くぜ!!!!
神バンドの召喚により当て振りエアバンドする必要のなくなった骨スーツのスタッフたちは開演まで客席を盛り上げる係となり、ウェーブや拍手を促したりしながらそこらを練り歩いている。
ライブ前の開演待ちの時間ってすごいソワソワしたり、あるいは早く始まらねーかなーとぼんやり無になったりしてるんだけど(基本ぼっち参戦で隣近所の人に話しかけない)、BABYMETALはぼっち参戦でもこの時間が、この光景がなんだかとっても平和で楽しくて好きだ。
客入れBGMのメタリカで「マスター!マスター!」の大合唱が起こるし、オレンジのサイリウムでそのBGMに合わせてエアドラムを叩く人もいた(人気者だった)
そう、サイリウム
普段サイリウムとは縁のない現場に通っていたのでなんかめっちゃ新鮮だった。「赤い夜」と銘打たれていた武道館1日目で赤いサイリウムが星のように輝く様(つまり全員が持ち込んだわけではない。私も持っていかなかった)はとても良かった。ちなみに最近は演出の邪魔になるので禁止になった。


その武道館ダイジェストがこちら↓
www.youtube.com
初参戦でこの完成されたステージングを見せつけられてしまった私は、ずぶずぶとBABYMETAL沼にハマっていったのである。


そもそもBABYMETALとは

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【BABYMETAL】べびーめたる
日本の女性3人組メタルダンスユニット。アミューズ所属。ヘビーメタル(HEAVY METAL)と掛けてるのでベイビーメタルとは読まない。2010年結成。

昨今、世界は巨大勢力"アイドル"の圧倒的な魔力によって支配され、「メディア」「政治」「経済」を含む全てがアイドルに牛耳られていた…
アイドルソング以外の音楽は全て有害とされ、"メタル"も例外ではなかった。
魂を奪われたメタラー達は、メタルの復権を祈った。
やがてその祈りはメタルを司る神"キツネ様"へと届くことになる。キツネ様はSU-METAL, YUIMETAL, MOAMETALの三人を、「新しいメタルの誕生」を意味する"BABYMETAL"と名付け、アイドル界のダークヒロインとしてこの世に降臨させた。
(LEGEND "I" 紙芝居)

という仰々しいコンセプトのもと「アイドル×メタルの融合」をテーマに、キツネ様を讃えるフォックスサインを掲げ、BABYMETALのメタルレジスタンスは始まったのだった。
ライブ中は神が降臨しているので基本的に笑顔を見せず、MCもなく、MC代わりのストーリー映像(通称:紙芝居)で進行するのが常である。
なおこのレジスタンスは2014年2月7日のMステ初出演の際に巨大勢力アイドルまでもがキツネサインを掲げたことでその目的を完遂、第一章が終わったということが武道館ライブでの紙芝居で明らかとなり、第二章として海外への召喚(ワールドツアー)が発表された。


大の大人が真面目に考えて全力で実現するこのコンセプト大好きなんですけど、実は「ド・キ・ド・キ☆モーニング」のMVを撮る際に、当時メタルを全く知らなかった3人が振付のメロイックサインを影絵のキツネと勘違いして(可愛いかよ)、そこからこのキツネ様に関する仰々しい設定が生まれたっていう裏話があり……KAWAII……めっちゃSUKI……
www.youtube.com
ちなみに最近ではライブ中でも結構笑顔を見せてくれる。


メンバー紹介

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Vocal / Dance:SU-METAL(すぅめたる)写真中央
世を忍ぶ仮の姿は中元すず香(なかもと すずか)
1997年12月20日(19歳)
我らの歌姫、メタルクイーン・SU様。バックバンドが奏でるゴリゴリのメタルサウンドに負けない、力強い歌声を響かせる。アミューズ社員であるプロデューサー・KOBAMETALがキッズ部門に異動してきた時に「可憐Girl's」での彼女の歌声(当時10歳)を聴いたことがBABYMETAL構想のきっかけになった。
アクターズスクール広島出身。同じクラスでモーニング娘。に加入する前の鞘師里保もレッスンを受けていた。
お姉ちゃんは乃木坂46中元日芽香(ひめたん)。いつか音楽番組で共演してほしいと思っている姉妹推しも多い。たまに乃木坂のラジオで動向が言及されている。
ステージ上ではクールでカリスマ性を発揮するが素は結構天然だったりする。
さくら学院』創立メンバー。2012年度、2代目生徒会長。


Scream / Dance:YUIMETAL(ゆいめたる)写真左
世を忍ぶ仮の姿は水野由結(みずの ゆい)
1999年6月20日(17歳)
可愛い天使の片翼。
合いの手・ダンス担当だがMOAMETALと共に『BLACK BABYMETAL』として2人だけで歌って踊ることもある。「パパ大好き!」とか歌われて悪い気はしないだろう。
さくら学院』2014年度、プロデュース委員長。


Scream / Dance:MOAMETAL(もあめたる)写真右
世を忍ぶ仮の姿は菊地最愛(きくち もあ)
1999年7月4日(17歳)
可愛い天使の片翼。菊地プロ。
合いの手・ダンス担当だがYUIMETALと共に『BLACK BABYMETAL』として2人だけで歌って踊ることもある。「パパ大好き!」とか歌(ry
さくら学院』2014年度、4代目生徒会長。

最初はゆいもあの見分けがつかない人も多いが元々SU-METALの周りに似たような天使が踊っていることをコンセプトに選ばれたため、それも仕方のないことである。そのうち見分けがつくようになるから大丈夫。かわいい方がゆいちゃんでかわいい方がもあちゃんだ。

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BLACK BABYMETALの2人


さくら学院』って何?

学校生活とクラブ活動をテーマに活動する、アミューズ所属の小5〜中3までの少女たちで構成されるアイドルグループ。リアル中学卒業と同時にグループも卒業しなくてはならない『成長期限定ユニット』の名を冠している。この強制卒業システムにより同じメンバーで1年以上活動することがなく、まさに限られた期間で精一杯輝く少女たち……これがまたエモい……
このさくら学院の部活動、すなわち派生ユニットとして軽音部ならぬ「重音部」BABYMETALが誕生した。
BABYMETALの起源を辿ってさくら学院の父兄(ファン)になる人も多く、かくいう私も毎年3月の卒業式ライビュでべそべそ泣いてるゆるふわ在宅父兄である。アミューズの自社タレントの育成という面もあるので、水着も接触もなく、動員数とか武道館が目標でもなく、それぞれが「スーパーレディになる」ことを校則(目標)とするところがいいなぁと思っている。運営に「何枚売れなきゃ解散」とか煽られてアイドルが切羽詰まってるの見るのつらいじゃん……大手の余裕はファンの余裕。
BABYMETALはオフショットとか全然表に出さないので、素に近い彼女たちを見られるのはここだけ。
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※今では流暢な英語を操るまでに成長しました

……と、さくら学院だけであれこれ語れそうだが今日の主題はそこではない。


ライブについて

毎日会いに行けるアイドルや年中何かしらのツアー・イベント・握手会があるアイドルも多いというのに、BABYMETALにはなかなか会えない。近年はワールドツアーで海外を飛び回っている(今年で3度目)のもあって、外タレかってくらいまず国内にいない!!!なので国内ライブは「待ってました!!!!!!」感がハンパない。海外まで観に行くおまいつも多い。海外からのおまいつも多い。
今ハマっても全然遅くない理由として、楽曲の少なさも挙げられる。なんとアルバム2枚分しかない。2daysで全曲被りなしの構成ができるくらい(9月の東京ドーム2daysがそうだった)予習簡単だね!!!Amazonミュージックに2枚共ある(武道館のライブアルバムまである)からまだ触れたことない人は是非聴いてほしい。


アイドル寄りの曲(しかしブレイクダウンがくそかっこいい)
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バンギャの曲
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(この2動画の間、1年……?成長が…はやい……)

で、常に新しい曲がポンポン出ていくっていうよりは、どっちかっていうとミュージカルの演目みたいな感じで。曲は一緒なんだけど、セットとか演出がちょっと変わっててみたいなイメージなんですよね。ミュージカルを観に行く方って、演目はわかっているじゃないですか。
― なのに毎回感動するという。
あの感じに近いんじゃないかなと思ってて。だから、ある意味様式美ですよね。
(音楽主義68)

そう、そうなんだよ(頷き)
同じ演目に何度も通う(ミュージカルではなく主にストレートプレイだけど)観劇沼の人間としては「それな」と言うほかない。
歌が上手い、ダンスがキレッキレなのはもちろんなのだが(あんなに動くのに生歌である。すごい)そもそも老若男女、世代も人種も超えて、3人の少女が統べるBABYMETALのステージングはショーや舞台を見ているようだと、私はいつも思っている。磔にされたり、女神像を破壊してみたり、巨大魔法陣を描いてみたり……紙芝居のストーリーに沿って目の前で行われるそれらはとてもシアトリカルだ。
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先にも少し触れたがSU-METALの世を偲ぶ仮の姿はちょっと天然だったりする。けれども舞台上の彼女は凛々しく美しい。力強く、時に繊細に楽曲を歌い上げ、本当に神が降りているのではないかと思わせるパフォーマンスで魅せてくれる。私は彼女のそのプロフェッショナルなところが最高に好きなのだが、開演から終演まで素の顔を覗かせないことや、大がかりなセット・特効などあらゆるギミックを行使することでそのカリスマ性を際立たせる演出に盛大な拍手を送りたい。なんならお歳暮とか送らせてほしい。東京ドーム公演の登場の仕方、セットのてっぺんから見下ろされるの最高でした……オタクの心理わかってる……
「BABYMETALの成功は中元に喋らせなかったこと」なんて、さくら学院の担任・森ハヤシ先生に言われたりもしていたけれど。いや本当に。
これからも一体どんな演出で彼女たちを魅せてくれるのか楽しみにしている。


ゴンドラで宙を舞ったりもしました。
現地でちょっと泣きそうになった。まじで。
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・メンバーカラー

ないです。

・MC

ないです。自己紹介すらない。代わりに(?)「BABYMETAL DEATH!!」って曲がある。

・衣装チェンジ

基本ないです。紅月とかでマント着用するのと、BLACK BABYMETALがパーカー羽織るくらい。あとはその時の演出次第で終盤ちょっとゴージャスなやつに。そろそろ新しいお衣装も見たい。

サイリウム

禁止です。レーザーやら炎やらの特効演出の邪魔になるので。その代わり光るコルセット(赤外線操作)くれたりする。

・アンコール

最近はほぼない……?ない時は最初に宣言されます。宣言されたらほんとにない。
昔は普通に「アンコール!」だったけど、海外ツアーが始まってから感化されて「ベイビーメートゥー(パンパンパパン」になったっぽい。


ないない尽くしだね!!!!
でも楽しいよ!!!!

モッシュッシュ

BABYMETALはモッシュのことを「みんな仲良くおしくらまんじゅう」=「MOSH'SH(モッシュッシュ)」と呼ぶ。
MOSH'SH PIT(アリーナ立ち見)、MOSH'SH SEAT(スタンド指定席)、MOSH'SH MATE(モッシュッシュする仲間=ファンのこと。略してメイト)。

・パロディ、オマージュの嵐

分かりやすいところでX JAPANとか聖飢魔IIとか筋肉少女帯とか。KOBAMETALが好きらしい。知らなくても普通に楽しめるけど知ってるとニヤッとできるパロディやオマージュがたくさんある。
「イジメ、ダメ、ゼッタイ」のサビのダメジャンプだったりヘドバンの力で光るコルセットだったり銅鑼を鳴らして失神したり「BABYMETAL JAPAN…JAPAN…JAPAN……」てエコーだったり、それから楽曲自体も大体は元ネタがあって、えっこれもメタルなの?と思う「いいね!」「おねだり大作戦」なんかも実際元ネタ聴いてみるとほんとだwwwwって草生えた。そういうの辿るのも面白いよね。
あと紙芝居でネタぶっこんでる(初出演後のMステネタやら。東京ドーム公演ではシン・ゴジラをパロってたり)のも楽しい。いいぞもっとやれ。

・メタルの現場ってなんか怖くない?

現在のBABYMETAL現場は老若男女幅広い世代が参戦してるので、特に怖くないですよ!メタラーからドルオタ、小さなお子様連れの家族、コスプレイヤー、外国人etc.ぼっち参戦もいっぱいいるから気にすんな☆
まぁどこの現場もそうだけど、初めてで不安な人はスタンド席を取ろう。最近の演出は高さがあるのでアリーナよりスタンド席の方がめっちゃ観やすかったりする。スタンド席からアリーナのWODを高みの見物するのも楽しいぞ。
いやいややっぱアリーナだろ!って場合には、前方は圧縮やWODに巻き込まれないようご注意ください。女性や子供、体力のない方限定のエリアもあります(大体は最後方に設置されてる)
小さいお子様(に限らないけど)は耳栓やヘッドホンで爆音から身を守って参加しよう。

WODって何?

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この曲のイントロではおなじみの光景。
モーセの割った海のように人の波が引いて、合図と共に一斉に駆け出す『Wall of Death(ウォールオブデス)』のこと。スタンド席からだとアリーナに月面のクレーターのようにぽっかり穴が空いてるのが見られる。
そもそもモッシュッシュと可愛く呼ぶ運営はそこまで激しいものを想定していなかったと思うが、巻き込まれると怪我をするので注意。気配を感じたら逃げてほしい。

・バックバンドの白塗り is 誰?

初期はカラオケ流してガイコツスーツを着た骨バンドが当て振りしていたが、メタルレジスタンスを完遂するためキツネ様より音楽の神が遣わされた。コープス・ペイントに白装束。LEGEND "I"のアンコールより降臨。
ギター2名、ベース1名、ドラム1名で構成される。

ギターの神:大村孝佳(C4)、藤岡幹大、Leda(Far East Dizain、元DELUHI)
ベースの神:BOH(元BINECKS
ドラムの神:青山英樹(EVER+LAST)、前田遊野(元Blue Man Group)

基本的に○○神と呼ばれる(BOH神、青山神など)藤岡神は小柄なため小神様とも。その対比で大村神が大神様と呼ばれたりもする。
この人たちがまためちゃくちゃ上手いんだな……「Catch Me If You Can」に入る前にソロコーナーがあるのもライブの楽しみ。

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写真後列、左から藤岡神、大村神、青山神、BOH神


ライブに行きたいんだけど?

・まずは"THE ONE"に登録しよう!

チケット先行・限定イベント・限定グッズ購入権を得られるぞ。ただしファンクラブではないので『一般のファンクラブのような、写真やムービー等のコンテンツの提供はございません』とあるように、そういうサービスを期待してはいけない。あくまでチケットをこの手にもぎとるために登録するのだ。

・イベント会場または、アスマートにて THE ONE(BIG TEE)を購入する

登録用のアクセスコード付きのグッズを購入する必要がある。毎年Tシャツだったりフードタオルだったりと物が変わって、2017年はビッグTシャツらしい。
www.asmart.jp
入会費・年会費みたいなのはない。毎年グッズを購入してコード入手して引き継ぐ形。グッズにアクセスコードがついてくると思えば実質無料。
来年の国内ワンマンの予定はまだ出てないけど、いつ加入しようが毎年12/31までの期限なのでさっさと入っておくと急なライブ告知&先行やら音楽番組の観覧募集やらに慌てずに済むぞ。



羽ばたき続ける少女たち

BABYMETALはあれよあれよという間になんだかすごいところまで行ってしまった。
レディー・ガガオープニングアクトとして北米ツアーに参加したり、イギリスの名門・ウェンブリーアリーナでの日本人初ワンマンを成功させたり、2ndアルバムが坂本九以来のビルボードトップ40ランクインしたり、レッチリやらガンズ、ついにはメタリカのサポートアクトだとか。
って言われてもピンとこない人もいるだろうし、私も正直「お、おぅ…」って感じで。相変わらず日本にいないらしいけど初参戦が武道館だった私としては「遠くに行っちゃったね……」みたいなしんみり感はあまりなくて、次は何をやらかしてくれるんだろうなぁというワクワク感の方が大きい。

かつてBABYMETALはすぅがさくら学院を卒業したら終わるんじゃないかとか、武道館で終了じゃ…とか、ゆいもあが卒業したら(ryとか、常に終わりを危惧されていたグループだった。アイドル×メタルがここまでウケるとは思われていなかったということもあるけれど、女子アイドルの活動期間というものがそもそも短くて、歳をとれば勝手に外野からオワコン言われるし、そうでなくても幼い頃からアイドルとして芸能活動を続けている子も長じるにつれてふと自分の人生設計とか考えるだろうし。

メタルなんてこれっぽっちも知らなかった少女たちが、歌とダンスを武器にメタルサウンド引っさげて世界に挑戦している様を、こうしてリアルタイムで目の当たりにできるのが幸せだ。BABYMETALでニコニコと笑顔になってる人がいるのを見るのが幸せだ。
私は海外まで追いかけるようなおまいつではないけれど、彼女らがどこまで羽ばたくのか、それを見届けられたらいいなと思っている。
いつか来てしまう最後の日も、できれば「See You!!」って笑顔で終わってほしい。


amass.jp
朝TLに流れてきた一報でファーーーーーー!!ってなって、帰宅して改めてこのニュース見てなんだかほろりときた。今年は国内での聖誕祭ライブはないけれど、レッチリに、それから観客に、異国の地であんな風にサプライズでお祝いされてびっくりして、笑顔になってるの見て、また幸せになった……
まだまだこの先も、こんな嬉しい事件があればいいなぁ。

SU-METALにとって、そしてBABYMETALにとって、新しい一年がまた素晴らしいものでありますように!
すぅ、誕生日おめでとう!


は~~~~BABYMETALのおたく楽しい!!!!!!

*1:アイドルマスターシンデレラガールズデレステのだりなつイベント最高だった。

*2:NEWアルバム「迦陵頻伽」発売中。12/23パシフィコ横浜でレコ発ホールツアー千秋楽だよ。新曲の「刃」がとうらぶクラスタにもおすすめ。

舞台『天球儀-The Sphere-』

初日、14日、観劇。あと千秋楽行きます。
末満さんのオリジナル新作!

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youtu.be
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napposunited.com


STORY

山荘「天球儀」に集められた7人の招待客たち。
そこではある人物の葬儀が行われるという。姿を見せぬ山荘の主からの要求はただひとつ。
「蓬茨奏音(ほうしかのん)の死を悼むこと」。
だが、招待客は誰ひとりとして「蓬茨奏音」という人物を知らないと言う。亡骸のなき葬儀。
「蓬茨奏音」とは何者なのか?彼は本当に死んだのか?
互いに共通点を持たない7人の招待客は、なんのために「天球儀」に集められたのか?
その事実が明らかにされる時、7人の招待客は己の実存を失う──
人間の記憶が脳ではなく、「スフィア」と呼ばれる外装置に置き換えられた世界線の現代日本を舞台に、殺人事件の起こらないミステリーが開幕する。


悲喜劇ではない、不穏に始まり不穏のまま終わる──事前に呟かれていた通りの作品。
どんでん返しを期待して見ると拍子抜けかもしれない。
久し振りに座った紀伊國屋ホールの椅子はやっぱり腰が死にそうになったけれどもそんなこと観劇中は考えないくらい没頭していた。

ヴァン・ダインの二十則、クローズド・サークル、アンドロイドは電気羊の夢を見るか……ぽんぽん飛び出す言葉にニヤニヤした。
殺人事件の起こらないミステリ。
人が死ぬってなんだ?
何を以って人は死ぬんだ?
『熱闘!!飛龍小学校☆パワード』における○○の○○から去ったジョーは果たして生きているのか?みたいなことを思わず考えた。

ひたすらもう、末満作品だなぁっていう。
それをしみじみ感じた2時間だった。

色々なところから集まった実力ある役者がいたからこそ成り立ったなと思う。観る方もくたくたになるんだから、演じてる方はもっと大変だろうな……
末満作品にキャラメルの多田さんが出るんだ!わー!っていう驚きだったし(多田さんに興味を持たれた方はキャラメルボックス無伴奏ソナタ』を観て下さいお願いします)(そうでなくとも創作活動している人には是非観ていただきたい)
ガキさんはとても良かった……舞台で拝見するのは『殺人鬼フジコの衝動』初演以来2度目。終盤の演技に圧倒された。
久し振りに拝見した大家さんは今までいい人の役しか観てこなかったので大分印象が違ってたし、西川くんはタカ兄の印象のままであの鬱々した山荘内での癒しだった。
鏑木和土香は色々ぶっこみすぎて最高だから観てない人は早く観てくれ。松本さんだってこと忘れてた。最高だぞ。
緒月さんとても素敵でした。ミステリ談義にキャッキャしてるのすごく可愛い。
加納さんは飄々とした可愛さがあって、チラシで拝見したお写真とのギャップに驚いた。

DVDにならないそうだから(末満ニコ生での発言)、観られる人はこの機会に是非足を運んで下さい。紀伊國屋書店の4階にある紀伊國屋ホールです。サザンシアターはコナンだから注意。
森博嗣クラスタ(特に百年シリーズ好きな人)には強くお勧めするぞ。



以下、バレあります









彼らの死は悼まれたのか

冒頭、群唱から始まる。
7人がひとつの存在──蓬茨奏音であることの暗示は既にここから始まっている。
冒頭での群唱というとまず浮かぶのはシャトナー演出だけれど、それにおける群唱とは少し扱いが違う。全員全役の『千年女優』でも群唱から始まるんだっけ(まだ観れてないんだけど)。そういうことだろう。
部屋を出ようとする剛立と春海が同じ方向に避けてたり、富と春海がコーヒー飲むタイミング同じだったり、示唆は多い。


登場人物の死亡要因一覧 ()内は享年

春海:交通事故(11歳)
大師堂:階段から足を滑らせて(15歳)
鏑木:学校の教室の窓から転落(13歳)
剛立:巻き込まれた喧嘩で殴られて(27歳)
國枝:海で溺れて(34歳)
出口:うつぶせ寝で窒息死(0歳)
富:実の親に床に叩きつけられ(5歳)

年齢は末満さんが以前上げていた脚本の画像より


蓬茨奏音は自ら死を選んだが、その記憶を持つ7人は外的要因の死が多い。選ぶ余地なく死んだ。
(ふせったーには鏑木はいじめの末の自殺か…?と書いたけど、蓬茨奏音との対比で事故の方が適切なのかなと思い直した)
実の親による虐待で死んだ富が奇跡の生還(スフィア移植手術)を果たしてまたその親の下で生きていくのかなり地獄だなと思ったけど、さすがに親は逮捕されて、まともな方の親か児童養護施設か優しい親戚の下で育てられてると信じたい。

死をなかったことにされた。隠匿された死。
彼らの死は悼まれたのか?
せめて生還を果たした時に「生きていて良かった」と誰かに言ってもらっていればいいのだけれど。


剛立の夢。マスクの意味はわからない。
富:豚
春海:キツネ
鏑木:象
大師堂:アライグマ
出口:猿
國枝:ヒツジ


蓬茨奏音の葬儀を執り行う

富柊子──蓬茨奏音は最後にそのポケットにマッチを入れていた。
「その死を悼むために、僕は死ななきゃならない」
そもそも山荘「天球儀」に集められた招待状には『蓬茨奏音の葬儀を執り行う』と書かれているのだ。
ようやく、ひとつになった蓬茨奏音の葬儀が執り行われる。22年前、蓬茨教授が複製した不完全なスフィアを移植し、別人としての第二の人生を歩ませたために死ねなかった蓬茨奏音の葬儀がしめやかに。
来年、皆が山荘「天球儀」に集まることはないだろう。
自らのための火葬。
その煙は今度こそ天球に届くのか。

末満さんの作品はやっぱりよく燃えるなぁ()
あと雨は皆を閉じ込める。

ざっくり年表

1955年 世界初のスフィア移植手術
1980年 蓬茨奏音誕生
1994年 蓬茨奏音及び7人の死
2015年 蓬茨教授死去
2016年 山荘「天球儀」にて蓬茨奏音の葬儀が執り行われる

日替わり

袋綴じの開いたパラダイスを富が見てる時の春海の言葉。日替わりそこなんですねw
初日「整形ですよ」
21日
春海「グラビアアイドルも大変みたいですよ。アイドルが水着着るようになったから。……富さんはどう思います?その、アイドルが水着着てグラビア撮るの」
富「いやぁ……私にはできません」
春海「いや富さんはしなくていいと思いますよ」


ところでマッシュ鏑木のCDないの?
ブロマイドは???

いや、この後味と世界観でそういうの売る作品じゃないとは思うんだけど、あったら絶対買ってた。せめて歌詞だけでも公開してほしい。
\マッシュルームマッシュルーム♪/ディナーショー楽しすぎかよ。
あの髪型といいアンジェリコフィーバーかと思いました。
ゲネプロダイジェスト映像にちょっと映ってたの嬉しかったです。

『天球儀』好きな人は末満さん言うところの「自己二部作」の前作『Equal-イコール-』は勿論おすすめですし、森博嗣の百年シリーズ2作目『迷宮百年の睡魔』よかったらどうでしょう……(1作目『女王の百年密室』からどうぞ。コミカライズもあるよ)


youtu.be
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オフブロードウェイミュージカル『bare』

音と言葉の洪水を浴びてきた

飛龍小学校の千秋楽から一週間後。
またしても訪れたのはシアターサンモールです(実はその次もだ)

基本的に観るのはストレートプレイばっかり、ミュージカルは正直言って苦手意識を持っていてほとんど観てこなかった私がミュージカル『bare-ベア-』を観てきたのでその感想をまとめておく。

そもそもミュージカルに苦手意識を持っていたのに何で観に行ったかというと、昨秋の『TRUMP』で私を永遠の繭期に落としたアンジェリコラファエロ役の田村良太さんの本領発揮、その歌声をがっつり体験してみたかったというのがあって。
(なんだその厨二丸出しの永遠の繭期とかいうやつは、という人は8/12にDVD出るので観てください)(ステマ

最近ストプレでも挿入歌やOP・ED曲がある舞台(ペダステとか刀ステとか)を観てたり、歌とダンスが本業のアイドルによるミュージカル(LILIUM-少女純潔歌劇-)で打ちのめされたりしていたのもちょっと敷居を低くしていたかな……
ミュージカルに関しては全然有名どころも観てないし知識もないから他と比較ができない上に「何言ってんだこいつ」という部分もあるかと思うので、以下は暇潰しにでもどうぞ。

そんな暇ねぇぞっていう忙しい人のためのbare感想はこれです。
bareはいいぞ。当日券あります。

 

 


STORY

全寮制のセント・セシリア高校。
校長でもある神父の言葉が響くミサでは、卒業を間近に控えた生徒たちが祈りを捧げている。
平凡な生徒ピーターにはある秘密があった。それは、学校一の人気者であるジェイソンという同性の恋人がいること。
いつかは自らを―bare—さらけ出し、愛し合いたいと強く願っていた。
学内の演劇公演のためのオーディションがシスター・シャンテルによって開催され、
美しいアイヴィ、ジェイソンの双子で皮肉屋のナディア、主役を狙うマットも参加し、配役が決定する。
リハーサルが開始されると、ピーターの気持ちはより強いものとなっていく。
ドラッグと酒でトリップするパーティーの中、
気持ちが募るピーターはジェイソンとキスを交わすが、それをマットに目撃されてしまう。
社会、親、友人の目を怖れるジェイソンは自身のイメージを守るため、
ピーターを突き放しアイヴィと一線を越えてしまうのだった。
-bare—になることを求めた彼らの心が絡み合い、そしてついに、一つの終焉を迎える・・・

 

もっと長いバージョンのあらすじは公式サイトへ

 

当日券情報はブログで 

 

7/3(土)マチネ 配役

ジェイソン/鯨井 康介
ピーター/田村 良太
アイヴィ/皆本 麻帆
ナディア/谷口 ゆうな
マット/一和 洋輔

神父/川﨑 麻世
シスター・シャンテル/入絵 加奈子
クレア/秋本 奈緒美

ルーカス/松永 一哉
ターニャ/杉山 真梨佳
カイラ/山崎 穂波
ダイアン/嘉悦 恵都
ローリー/伊宮 理恵
ザック/宮垣 祐也
アラン/藤井 凜太郎

 

ダブルキャストが多く、全16公演すべて組み合わせが違うということで、とりあえず知ってる方の出演回にしようと鯨井ジェイソン、田村ピーター回に。

鯨井さんは最初に生で観たのが2011年の『少年探偵団』で、急遽代役で登板という形にもかかわらずすごく上手い方だなーというのが第一印象だった。(あと特典映像の大人対談で惑星ピスタチオの話が出てたことが記憶に残っている)
最近だとペダステの手嶋さん。T2良かった……;;

 

簡潔に言うと、とても良かった。
昨今の挿入歌あり舞台のおかげで慣れてきてたのかもしれないけど、ほぼほぼ歌で進行するのが合ってた。音の洪水、曲に乗せた気持ち…言葉を浴びるように全身で体感できたのが気持ちよかった。
なんだろう、ミュージカルに苦手意識を持っていたのは以前に観たことのあるそれの中途半端な芝居と歌とのバランス…?歌と芝居の繋ぎがシームレスでないのが気になったり、歌も芝居も単独では好きなんだけどミュージカルとして両方いっぺんにこられると自分の脳処理が追いつかずに集中できなくて消化不良感があった。
でも今回は上手い人が集まっているからなのか、はたまた私の経験値が上がったのか、そこまでストレスを感じることなく観ることができたのが嬉しかった。

あとロックミュージカルというだけあって、ロックナンバーが多いのが合ってたんだろうな。これ書きながらbareアルバム曲(英詩verの)を流してるんだけど、まず音楽としてすごく好きなんだわってしみじみしている。
生演奏なのも贅沢だった~!
ダンスもみなさんキレッキレだったので耳だけでなく目でも楽しめた。

声の響きが一番好きだなと思ったのは一和マットと田村ピーターのナンバー『Are You There?』。
鯨井さんも歌は上手い方だしジェイソンの色気も弱さも芝居として大変良かったけど、ミュージカルの曲として歌として、単純に好みの声の調和はあの二人のナンバーでした。キャストが違ったらまた好みも変わるのかも。

 

あの歌声はいいぞ

田村さんの歌声がさぁ…………やっぱ好きでしたって話。

TRUMPの音楽室のシーンで一節歌った時も「!?」したんだけど、レミゼ(ミュージカルさっぱりな私でも名前だけは聞いたことあるぞ)の人連れてくるとかびっくりでしょ……本当にNU版TRUMPはキャスティングが神がかっていた……。もうすぐDVD出るからこの辺のことは改めてまた書きます。

閑話休題

あのまろやかな?のびやかで包容力のある歌声が、時にジェイソンに恋する歓びに溢れながら、時に二人の関係を曝け出すことができない不満と不安に胸を掻きむしられながら、ころころと表情を変えていくの、とても魅力的でした。
それは歌だけじゃなく演技の面でも。
もーーーーなんて幸せそうな表情をするの!!!!!
「愛してる」
「僕を愛して」
「なんで君も同じように愛してくれないの?」
「ねぇママに言おう」
ひたむきにジェイソンを求めるピーターの愛くるしいこと。スキンシップ多め。後ろからのハグとかさーーーーキスシーンも当然あります。上で紹介した記事のゲネプロ写真にもあるけど。まぁいわゆる腐った女子としての意見は以下の通りです。
くっっっそ萌えた。
頬かみしめて頑張って耐えた……安易に腐で釣りたくないけどそれ目当てで観てもいいんじゃないかな…興味を持つ入口は何でもいいよ……

 

同性愛のこと

「自分から言わない限り異性愛者になりすますこともできる。だけど自分を偽ることは、自らを傷つけることでもある」

この言葉を見た時、ピーターだなって思った。

田村ピーターはとっても可愛かった。そしてとても強かった。
ママに打ち明けなくちゃと思ったのにクレアはそれを恐れていて。ねぇピーターその話は後にしましょう。おばあちゃんが呼んでるの。電話切るわよ。シングルマザーでピーターを育ててきたクレアは、その告白をされることで自分の育て方が否定されることを恐れていた。全寮制のセント・セシリア高校に押し込んで、どうにか治ることを期待して──そこでピーターはジェイソンと出会ってしまった。

電話のあとで暗い部屋の片隅で泣き崩れるピーターの悲痛な背中を思い出すに辛い。

鯨井ジェイソンは迷っている。絶対的な父親を持つジェイソン。成績優秀スポーツ万能、学校一の人気者がゲイだと周囲にバレたくない。葛藤。それゆえのピーターに対する態度……けれど取り繕っていた世界が崩壊してから曝け出した弱さ。最後に見つけた確かなピーターへの愛。


キリスト教社会において禁圧の対象であった同性愛。作中は年代はわからないけれど、この作品のロサンゼルスでの初演時(2000年)にはまだアメリカでは同性婚も認められていない(でも一番最初に合法化したのがマサチューセッツ州)。
そんな中でのカミングアウトをジェイソンが「父親に知られたら俺を殴って勘当して、治療のために大学を休学させるだろう」と躊躇うのも仕方がない。本当に、治療すれば治る「病気」だと思われていた時代があって(今も思っている保守層はいるかもしれない)、同性愛者だからという理由で殺される社会だったんだもの。

これは1998年の事件。
全州で合法化された現在だってそれを理由に事件は起きている。
ジェイソンの選択を、私は責めることはできない。もちろん、だからといってアイヴィにしたことが許されるかというとそれはまた別の話。

そんな時代背景にあって、ピーターは強い。
私も親に自分のセクシャリティを告白する気はないぞ……結婚しないつもりとは公言してるけど。
自分の場合、カムしても引くとかの前に普通に悪気なくその言葉を否定される、セクシャリティの存在そのものを否定される傾向にあるのがあーまたかってなるんですけどね(Aセクあるある)


田村さんが目当てだったしジェイソンピーターに感情移入するかな~と思ってたら、登場人物みんな、どこかしら身に覚えのある感情とかあって。

ナディアの「デブな私はジュリエットにはなれない」。コミカルに装いつつ、与えられた役割を全うするわという諦め、寂しさ。
アイヴィの「外見ばかり見ないで」。恵まれているようで本当に欲しいものは得られない。大人の振りをして、それでいて誰よりも怯えた子供。
マットの「永遠の二番手」。成績も、好きな子の気持ちもジェイソンに取られて。

同性愛が『タブー』であるキリスト教圏の社会風潮や身体に浸み込んだ常識に翻弄される子供たち。みんな悪かったし、みんな悪くなかった……
皆本アイヴィも谷口ナディアもめっちゃ可愛かったよ~~~~~
「夜になったら電話して。ううん、夜じゃなくてもいい、いつでも電話して」
双子の片割れに言葉をかけるナディアの優しさ。
でもそれに応えられないジェイソン。
ずっと2番手のマットの、ジェイソンに対する感情の発露がああいう方向に出てしまったのはすごくつらい。マットだっていい子なんだよね。
ルーカスもすごくいいやつ…!けれどその優しさがすべてを喪ったジェイソンには毒だった……
この作品が海外においては大学・高校で上演されることが多いというのも実に頷ける話。それくらい、多分普遍的な話。

自らも人種で差別されてきたのだろう黒人のシスター・シャンテルはピーターに寄り添ってくれた。
神父様はジェイソンに寄り添うことができなかった。
「あなたを赦します」
神父様に告げる、ピーターのまなざし。その罪を自らが背負うように。あんなにもまっすぐに、何を見ているのだろう。


役者が違えば芝居の解釈もガラッと色を変える、Wキャストの醍醐味でもあるそれを連日通っているフォロワさんの感想眺めながら感じているので、懐に余裕のある人は複数回違う組み合わせで観てみてほしいし、あわよくば感想を流してもらいたいものである。
岡田ジェイソンも橋本ピーターも気になるんじゃ……

 

 

以下、ラストについて言及しています。

 

 

 

 

 

オーバードーズで朦朧とする意識の中、愛するピーターの腕の中でようやく不安や絶望から解放されたジェイソン。
卒業式、黒衣のアカデミックガウン姿の生徒たちの中を真っ白なジェイソンが歩いてくる。優しく、愛おしそうに、ピーターの背中を抱きしめる。
とても美しかった。

ピーターの傍にはジェイソンがいる。
自らの罪と共にある。

 

ジョー&マリ プロジェクト『熱闘!! 飛龍小学校☆パワード』(6/19 マチネ)

飛龍小学校はいいぞ。

ジョー&マリ プロジェクト。もう名前からしてテンションが上がる。疑いようもないこの二人の名前。赤木ジョーと五十嵐マリ。
惑星ピスタチオの不朽の名作『熱闘!! 飛龍小学校☆パワード』が、ジョー&マリ プロジェクトとして蘇った。もちろん作演出は西田シャトナー氏。
惑星ピスタチオは解散後に知ったくちで(舞台を観るようになったのが解散の翌年くらいからだったと思う)映像で観てすごい衝撃を受けて、関係者用ディスク付きのDVDセットやストーリーブックや上演台本(販売用)をかき集めてリアルタイムで遭遇できなかった悔しさを噛み締めながら想いを馳せていた身としては、今回初めて飛龍小学校を生で観られることにとても興奮していた。
で、観てきてやっぱり面白かったので折角なのでブログに記しておくことにする。twitter始めてからサイトのブログ放置しててこういうの書くの久々なんだけど、鉄は熱いうちに打てだ。飛龍小学校はいいぞ。




STORY

飛龍小学校。その世界には、小学生しかおらず、始業前と休み時間と放課後しか時間が存在しない。お金を持たぬ彼らの間では、「噂」が貨幣として流通している。
3年生でありながら、飛龍No.1の探偵と噂されるタフガイ・赤木ジョーは、ある朝、運動場地下に眠る古代図書館遺跡から、伝説の宝石「飛龍エメラルド」を発見してしまう。それは、3000年前の伝説の番長が作り出した、1年生でも6年生に勝てる力を秘めた宝石だった。
学校の支配権を競う番長グループと児童会、そして一攫千金を狙う全校のハンターたちの間で、飛龍エメラルドをめぐる熾烈な戦いが巻き起こる。
できれば争いからは無関係でいたいジョーはだったが、腐れ縁でもある2年生の噂ブローカー・マリが、争いに巻き込まれて番長の居城に幽閉されたことを知り、その救出に向かうことを決意する。番長の居城は高学年校舎の最上階。そこは、低学年児童がひとたび足を踏み入れれば生きて帰ることができないという魔境である。
果たしてジョーはマリを救うことができるのか? そして飛龍エメラルドを手にし、学校の派遣を手にするのは誰か? その頃、誰も知らない地底で、飛龍エメラルドの恐ろしい呪いが発動し始めていた…
飛龍小学校最大の噂として未来まで語り継がれる冒険が今、幕を開ける。


ペダステで知ってる人もいるように、シャトナーさんの演出はマイムが多い。具体的な舞台セットはなく、ハンドルだけで自転車漕いでるように見せたり、役者が自販機やガードレールやはたまた時計台の歯車になったりする。パチンコから放たれた弾道が見える。
昨今いろんな舞台でも見かけるプロジェクションマッピングとは真逆の、役者の身一つで作られる実にシンプルな芝居。
飛龍小学校は言葉の洪水だ。だってテロップが出る。映像使ってないのにテロップが出る。ダダダダダッ!したくなりませんか。左下でひっそりと「作演出・西田シャトナー」って出るところ好き。
やってることはごっこ遊び。ただし究極のごっこ遊び。舞台上で役者がここは宇宙だと言えばそこは宇宙だし、小学校と言えばそこは小学校。高学年校舎は恐ろしい魔界都市だし、パカラッパカラッと乗馬の仕草で駆けてくれば彼は馬に乗って現れる。
『お芝居』の基本的な、お約束の極致。
ただ口で言っただけでは「はぁ、そうですか」となってしまうところだけど、ちゃんと観客に映像を想起させるのは役者の力強い表現力の賜物だなぁと改めて思う。
音響が(ペダステでもお馴染み)天野さんというのも世界に没入できる信頼ポイントかもしれない。チチチチチ……と錠前を合わせるジョーの背中を観た時から、そこは飛龍小学校の世界だった。

シアターサンモールはそもそも、階段を下って石の壁に囲まれた劇場へ足を踏み入れる構造になっている。これってまるで飛龍小学校の地下の古代図書館遺跡みたいじゃないですか。そんなことを考えながら席に着いてもらえれば、まさしく冒頭は古代図書館遺跡の調査シーンから始まるわけだ。
開演前、明るく照らされていた校庭が直前には薄暗くなる。ぼんやりと遠くに青。夕陽が落ちたと思ってぞくっとした。


「百の口からあふれ出た、宇宙に関する千の噂。」
あの群唱をきくとわくわくする。
最後にもう一度、同じ群唱なのに切なさがこみ上げる。


主演の赤木ジョー・平野良さんは生だと2012年のキティフィルム版『破壊ランナー』でも拝見していて、またシャトナー作品で会えたことが嬉しい。あの時も初代ジョーである保村大和さんとのコンビだったし(今回カテコで新旧ジョー揃ってアレやられた時ひぇっ!てした)(ありがとうございます!!!)
マリを演じる田上真里奈さんは初めまして。よく通る声で、一声聴いて「マリだ……!」しました。その大きなランドセルを背負った小柄な体からは少し背伸びしたマリの可愛さが溢れてた。小学二年生!可愛い!!
ウォンの和合真一さんも初めましてだけどグラフィックデザイナーからの転身ってすごいですね……遅いデビューと思えない素敵な役者さんでした。ビジュアル公開された時「あ、めっちゃウォンだわ」と納得。
六年生轟天寺番長・萩野崇さん!待ってましたのハギーさん……低学年にとっては巨大な壁のような存在の轟天寺様、その背の高さと小さなランドセルでもって独裁者オーラが出ていて大変良かったです。それでいてお茶目。でも弱音も吐く。忍者不知火の救世主であるところ、あの叫びには少し涙ぐんだ。ここの関係性たまらない。
その不知火VS真面目口パチオのシーンがまた美しい。塩崎さんの背面落ちも跳躍する天羽くんも格好良かった!!塩崎さんのパンフコメントにもあるように、ルーツを同じくした対比が見えてとても良かった。天羽くんはペダステ小鞠さんから知った役者さんだけど、時にコミカルに、時に美しくといろいろな面が見られて良かった。
元々好きだったんだけど荻窪さん演じる裏の飼育委員・猫渡アリスの可愛さ!マドモアゼル可愛いよマドモアゼル!!!
児童会長・遠山キンコの凛々しさの中に垣間見える少女の部分。あの戸惑いめっちゃ身に覚えがある。
古代番長パルテノン田ネプチューン之・保村大和さん。桜ジュリエッタ版から追加されたキャラということくらいしか知らなかったのでどう絡むのかと思っていたけれど、さすがオイシイ……。ヨメマスアゲハってすごい小学生ネーミングの鱗粉で実体化するのたまらないな。呪いを生み出した超古代の彼は異次元でひとりなのか。彼の噂も気になる。

後半のジョーとマリが手をつないで逃げるシーンに勝手に『破壊ランナー』の豹二郎とリンコを重ねてブワッてなっていたのは私だ。走り方だけじゃなく。
握っていた手をそっと剥がす、二人のシーンは美しかったなぁ。

パワードのつかないクラシック版初演から26年。パワードになってからでも20年。それでもちっとも時代を感じさせない。
ピスタチオ版とどっちが好きとかじゃなくてどっちも飛龍小学校で、数多の噂によって作り上げられた飛龍小学校は今日もあの場所に存在するのだ。
人数増えて小学校らしい賑やかさが出たのと、時計台のシーンが迫力あったのが良かったなぁ。


素晴らしい実力あるキャスト陣と美しい照明と心を高揚させる音楽と、とにかく飛龍小学校が目の前に存在することに心躍ったあっという間の130分!
最後に向かって一気に駆け抜ける!さりげない伏線が効く!ページを捲る手が止まらない少年漫画のような熱量のある舞台!!
DVD発売は決まってて、10月中旬に届くみたいですが(会場予約すると送料無料!)この熱量はまず生で体験してみてほしい……

19日マチネは前ブロック後方とサイドの見切れ席に空席が目立ったけれど、後ろを振り返れば埋まっていたので、見えやすい後方から席を埋めてるんだろうなという気遣いを感じてとても良かったです。
ちなみに後方プレミアム席だったんですが、シアターサンモールの前ブロック後方は床がフラットで大変見え辛いので全景の見えるこの位置はとても見やすかった……さすがプレミアム。ありがたい。
客席がそれこそ老若男女問わないっていうか、男性数人のグループとか年配の方同士とかもいてちょっと新鮮だった。作品目当ての人も役者推しの人も、あるいはなんとなく気になってチケ取ってみた人もなんか色々混じってるんだろうなぁと。
ペダステからシャトナーさんを知ってる人も役者推しの人もいい歳した大人がランドセル背負って短パン白靴下履いてる姿を見たい人もちょっと予定空いてるのよね〜って人も新宿御苑前駅徒歩3分、シアターサンモールと言う名の蜃気楼へ是非どうぞ。
飛龍小学校はいいぞ。

(バレなしここまで)


ランドセルを背負わないジョー、あるいは伝説となった男子の話

2016年の飛龍小学校の生徒たちはカラフルなランドセルを背負っている。
恋をしてエスイーエックスの噂を欲しがる背伸びをしたい少女・マリのランドセルは薄紫。
変化する肉体に戸惑う大人になりたくない少女・遠山キンコのランドセルは赤。血の赤、というのもまた皮肉な気がする。
猫渡アリスの鮮やかな黄色いランドセルは貧民街の希望の色か。カメレオンスーツで見えなくなる演出にもランドセルが使われる。他にも黒、青、茶、緑……
ジョーはランドセルを背負わない。

エースは言う。
「……と、奴は言ったんだとよ。(中略)俺様の髪型にかけて嘘じゃねえ。こいつは確かな噂だぜ」*1

続いて真面目口が、ウォンが……登場人物たちが次々にジョーの噂をする。観客はそこでジョーという人物のひととなりを知るのだけれど、最初からジョーについて語られるのは噂だった。
朝の事件を噂という形で振り返っているだけでなく、探偵・赤木ジョーは既に伝説となって、噂となって飛龍小学校に流れているのかなと思っている。
伝説の古代番長がランドセルを背負っていたのは、彼らの接した現実だったから?

*1:セリフは97年版DVD参照