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幻の音速レース!! 劇団Patch Patch stage vol.4『破壊ランナー』

劇団Patchが4/27で8周年!
過去公演のダイジェスト映像が公開され、DVD化されなかったPatch版『破壊ランナー』も!本編映像が!あるぞ!!見て!!!!!!!(2:07〜2:51)

【劇団Patch】劇団公演ダイジェスト動画


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劇団Patch
Patch stage vol.4『破壊ランナー』

2014/3/9(日) 12時(前楽) 観劇

STORY

西暦2700年という遠い未来、人々は生身の人間が音速で走るプロスポーツ、『ソニック・ラン』に熱狂していた。そんな中、デビュー以来負け知らずでどんな相手も寄せ付けない人類最速1.71音速のレコードを持つ男がいた。はたして、彼を抜くランナーは現れるのか


CAST & STAFF

作:西田シャトナー
潤色・演出:末満健一

豹二郎ダイアモンド   竹下健人
スガタ・ハイウィンドウ 井上拓哉

キャデラック      中山義紘
蘭堂真紅郎       杞山星璃
ライデン        三好大貴

DJ早井速三      吉本考志

ラニア        岩﨑真吾
ミラージュ・ミストレイ 松井勇歩
トレオ・ブルーナイト  村川勁剛
エンジニアドルビー   中村圭斗
エンジニアコバヤシ   山田知弘

黒川フランク      保村大和
レディ・カルリシア   遠坂百合子
スパイク・クリムゾン  山浦徹



幻のレース

今でこそ繭期を拗らせたり末満さんのオタクをやったり劇団Patchを箱で応援しているのだが、私がPatchと出会ったのはそもそも『破壊ランナー』だった。
死ぬほどパンフが売れなかったと語り継がれている(?)、あのPatch stage vol.4『破壊ランナー』である。
本公演で唯一DVD化されていない(ボクカツとカニ13も発売決まったらしいと見かけた)この公演、まだまだPatchが広く知れ渡る前のことであまり観ている人がいないようなので、既にだいぶ記憶が薄れてはいるのだが、その記憶すらもなくなる前に書き留めておこう……と思いつつしばらく筆が止まっていたのだが、8周年記念の過去公演ダイジェストに本編映像がきたので!書きます!!
この勢いで単体の!今、順に公開されてる他のダイジェストと同じくらいの長さのやつも!ください!!!!


結論から言うと、
めっっっっっっっ……ちゃくちゃ良かったんだよ……!!!


もう記憶は本当に一部のみで詳細が語れないのが悔しいのだけど、本当にこれだけは言えます。めちゃくちゃ泣いたしめちゃくちゃ興奮した。あの時Patchが演じた『破壊ランナー』は、幻なんかじゃなく、本当に素晴らしかった。



※ 8周年に間に合わせるべく、諸事情により手元にパンフがない状態でこれを書いています。本当に記憶しか頼るものがない……(あとで盛大に修正するかも)
※明らかにお前の記憶間違ってるよって部分がありましたら、そっと@hal_8までDMなりマシュマロなりでお知らせいただけると助かります(ついでに貴方のその記憶が彼方に消えないうちにどこかへ書き記してくれたら読みに行きます私が嬉しい)



稽古場レポ


関連ツイートまとめ




※自分語りとかの前フリが長いので興味がない・忙しい人は飛ばしてください。



不朽の名作

そもそも「破壊ランナーって何度も上演してるけど、どのバージョンがおすすめ?」と聞かれたら、個人的にはこの3つを推します。

惑星ピスタチオ 95年版
原点をまず観たい、若き日の佐々木蔵之介、そしてそのはっちゃけた姿が観たい方におすすめ。惑星ピスタチオの全盛期。テレビ放送されたので当時のものとしては画質がいい(末満さんがライデンを演じた99年版は残念ながら映像は残ってないらしい)

劇団Patch版(2014年)
とにかく若くてエネルギッシュなレースが観たい、青春、友情、歌う黒川フランクが観たい方におすすめ。

・SHATNER of WONDER #5(2017年版)
2020年4月現在、最新の破壊ランナー。シンプルな改稿でありながら深い掘り下げと研ぎ澄まされたレース、これが実にバランスが良い。シャトナー演出での全員男版が観たい方におすすめ。この3つの中だと円盤は一番手に入りやすい。
2017年版に関しては当時こちらで語ってます(比較としてPatch版の話も少し書いた)


って挙げてはみたもののPatch版はDVD出てないんですけど!なんでや!!(まぁ権利の関係とかでしょうが……)とりあえず記憶を絞り出してこの記事で語ります。
ピスタチオ版と2017年版は持ってるのでSTAY HOMEのお供に見てみたい方はどうぞお気軽にお声掛けください(ピスタチオ版に至っては3枚もあるんで……)



出会いは突然に

劇団結成から2年。『SPECTER』の1年前。
私はまだTRUMPシリーズに出会ってもいなかったし、末満さんが当時どんな活動をしているかさえ知らなかった。
ただどこかの劇団が上演するだけなら、もしかしたらスルーしていたかも知れない。
けれども本作は、惑星ピスタチオの旗揚げの地である大阪で上演され、元 惑星ピスタチオ所属の末満健一が脚本を潤色し、演出する。末満さんも立ち上げに関わった若手俳優たちの劇団。更には元 惑星ピスタチオのメンバーが2人も出演する。保村大和に遠坂百合子、この名前を聞いて沸き立たないわけがない。だってあの黒川フランクとカルリシアだぞ!!
シャトナーさんの非公式RT(引用RT機能未実装時、コメント付き引用リプをまだそう呼ぶ時代だった)で知り、劇団Patchについての事前知識が何もないままに、すぐさま観劇スケジュールに加えた。

余談だが、私が初めて自分の意思で生の舞台が観てみたいと思ったのが2000年。実現したのが翌年。キャラメルボックスが過去の公演で惑星ピスタチオとコラボしていたことからその存在を知ったのだが、惑星ピスタチオは2000年に解散していた。私は間に合わなかった。キャラメルでのミラノさんの客演さえも生で観ることは叶わなかった……!
それからしばらく間が空いて、たまたま見る機会を得たのが95年版の破壊ランナーだった。

私にとっての破壊ランナーは、演劇というものがいかに自由であり、無限の可能性があるんだということを最初に知らしめてくれた作品である。大げさだろうか。私は大真面目である。当時まだそんなに多様な舞台に触れていなかった、丁寧で親切でわかりやすい作品ばかりを見ていた私にとって、この作品との出会いはそれはそれは大きな衝撃だったのだ。
具体性のある、ぱっとみてわかるような明確なセットはない。役者の身ひとつで音速走行の世界を体現し、そこがどこで、何をしているのか、役者の演技力によって観客に想起させる。演劇の根底にある究極のごっこ遊び。役者に納得させる力がなければセリフも動作も上滑りになる。観客もまた、ただぼんやり眺めているだけではなく、想像力をフルに使うことで作品は更なる広がりを見せる。
「不可能なんてあり得ない」
「不可能に挑む」
それが作品のテーマ。
実際に私は、この目で音速のレースも巨大ロボ戦も見た。確かに私はあのレースの観戦者となった。すごいものを見た、と心底思った。

2012年、キティフィルム制作で上演された際に初めて生でこの音速のレースを観戦することができた。そして再会は早く、2年後。それが劇団Patchでの上演だった。
まだ劇団を結成して2年の若手俳優たちによって、あのがむしゃらで熱い熱いレースは繰り広げられた。


初めてのPatch現場の印象

先に述べたように、劇団Patchの存在はこの作品で初めて知って事前知識なく大阪へと乗り込んだ訳だが……正直に言うと、観劇するその直前までちょっとマイナスのイメージを持っていた。

日劇場入りして、ロビーに立つ役者と客の距離の近さにまず驚いた。小劇場の終演後の面会とかめちゃくちゃ苦手なタイプなので……(まぁ今も物販に立ったりして割と近い方だけど流石にそれは慣れた)たぶん常連なんだろうけど、いやもう普通に友達かよくらいのテンションでしゃべっている3〜4人組。劇団員だけど芝居に出ないエレガンス担当がいるというのをそこで初めて知った(いたんです)
客席のチラシ束の一番上にあったのは観劇マナーの注意喚起チラシだ。A4いっぱいに、大きめのフォントで、どれもこれも観劇にあたっての初歩的なマナーがずらりと並ぶ。マナーチラシが配布されるというのはTwitterで知っていたけれど、やっぱり実物のインパクトはすごかった。


こんな注意喚起しなくちゃならないくらい、まじでPatchの客席マナー悪いのか……この劇団大丈夫か……と、正直このあとの2時間半を覚悟していた。
ロビーでの客との距離の近さ(寧ろ馴れ合いという印象の方が強かった)を見た後だったし、更には前日マチネを観た友人(こちらも遠征組・初Patch)が作品と役者の演技は最高なのに客のマナーが最悪だった(椅子揺らす、笑い声が度を超えてる、堂々とステージ前を横切る途中退室、場違いな拍手etc.)と言っていたので余計に。
私の観た回はたまたま運が良かったのか特にマナーの悪さは目立たなかったけれど、作品と演技がどんなによくても客席運で残る印象が……という悲しい出来事はままあるので、今はほんと全体的にマナー向上して平和な客席になって良かったなぁと思う。
(当時のメインのファン層が観劇の基本的なマナー喚起をしなければならない程なら、まぁあのパンフが売れなかったのも分かるな?などとは少し思った)(当時、メンバーの身内やスーツの関係者のマナーが悪いというのは末満さんも苦言を呈していたが)


……とまぁ、覚悟をして臨んだ2時間半。
印象マイナスからのスタートの反動というのを差し引いても、本当に本当に熱く素晴らしい芝居で。本家を何度も見て知ってる内容なのに、それでもめちゃくちゃ泣いて興奮して、カタルシスが半端なかった。


終演後にはステージ上に並んだ劇団員たちとのハイタッチ会が用意されていたのだが、私はそれに参加しなかった。
ものすごく良くて、本っっっ当に良くて、だからこそまだその余韻を壊したくなくて。アンケにはとにかく『関東からこのためだけに来ましたがすごくすごくよかったです!!!』というようなことを書きなぐった上で、ハイタッチ会には参加せずにそのまま足早にABCホールを出た。今にして思えば、その興奮を直接伝えることができる貴重な機会だったんだけど……直後って本当に言葉が出ないんだよなぁ……じっくりと反芻して、こうして文字にするのが性に合っていて。

もしもPatchでの再演があるのなら、次こそはちゃんと感想を伝えたいなと思う(さすがにもうハイタッチはないと思うので手紙で)あとこんな朧げな記憶頼りの感想ブログじゃなくて、メンバーの人となりを知った今だからこその感想ブログ書きたいので。

だから頼む、いつか再演してくれ……!!!



セット


サーキットのような、あるいはピットのような、あのセットが本当に好き……今でも写真を見返す度に惚れ惚れする。いやほんと、めちゃくちゃかっこよくないですか。シンプルでありながら存在感もあって。
客席に着いてまず目に飛び込んできたそれにめちゃくちゃわくわくしたし、実際に舞台の幕が上がればスロープの間からのランナーたちの入場、その上段を駆け抜けたり、あのスロープを駆け上がったり駆け下りたり。色々な顔を見せてくれた。
駆け抜ける、といえば、前傾して並んだ役者たちの背中の上を踏みつけて駆けていくシーンもあったし、跳び箱のようにひょいと跳んで追い越すシーンもあった。縦横無尽に駆け回る立体的なソニックラン。その身軽さや身体能力の高さに、否応なくテンションが上がった。


キャスト

(本当に記憶がアレなので一部のみ言及に留めます)

↓まだ名前が変更される前の配役発表。


豹二郎ダイアモンド:竹下健人
ビジュアルが公開されてまず度肝を抜かれた、かつての豹二郎を演じた腹筋善之介を彷彿とさせる竹下健人の矢印型のヘアスタイル。もうそれだけで意気込みが違う。イケメン芝居なんかやってやらんぞ、という覚悟と気迫を感じて良い(イケメン芝居をdisっているわけではなくて本作には必要なかったという話)
アローヘッドであることで、豹二郎ダイアモンドというキャラクターも見えてくる。気の強さ、目立ちたがり屋、変人、最速への拘り、ラストへの布石……別にわざわざ髪型を変えずとも演技はできるだろうけれど、この時点での健人くんあるいは劇団Patchには必要な演出のひとつだったんじゃないかと思う。
この役で彼は2014年上半期の「関西Best Act」役者部門に選出された。

スガタ・ハイウィンドウ:井上拓哉
ピスタチオ版におけるヒロインのリンコ・スカイウイングは、本作では主人公の親友、スガタとして登場する。演じるのは当時のPatch最年少、高校生の井上拓哉。95年版の上演と同じ年に生まれた彼が演じるというだけでもう時の流れを感じる……ちなみに本番中に高校の卒業式を迎えた(そこだけはイベント回になっている)

恋人ではなく親友。
豹二郎とリンコ(スガタ)の関係性が変わることで、この作品はより熱く、ストイックに、友情・青春の色が濃くなった。努力・友情・勝利……もはや少年ジャンプと言ってもいいだろう。
親友。それは対等な関係だ。スガタはソニックランの元チャンピオンで、豹二郎にソニックランを教えた存在であるけれども、本作において2人は対等な親友で、そして大切なライバルだ。
演じるPatchの面々は当時24〜18歳。何度も言うようだが劇団結成からまだ2年だ。若くて体力があってがむしゃらで。今と比べればやはり演技力は発展途上中。集団内での切磋琢磨、負けられないライバル、友情……けれどだからこそ、彼らの関係性を活かすためにもスガタは本作で親友というポジションに落とし込まれた。それらは稽古を経て研ぎ澄まされ、音速のレースにおいて否応なく発揮される。
その身ひとつでどんな状況なのか表現しなくてはならない。目に見えない、想像の世界の音速のレースを体現しなくてはならない。シャトナーさんの考案したカメラワーク演出には役者たちのまとまりだって必要だし、1人何役もこなすスイッチプレイには演じ分けが必要だ(パンフに全役掲載されていたけれどとんでもない数である)あの前傾姿勢のランニングフォームの維持で腰は辛い。ものすごく大変な作品。
自分で脚本を書き下ろす時間がなかったからというのは本当だろうが、あのタイミングで末満さんがPatchに『破壊ランナー』へ挑戦させた意味がとても理解できる。結果、素晴らしいレースや関係性が表現されていたと思う。
ラストの豹二郎とスガタのソニックラン。伸ばした腕。指先。あの一瞬のような、あるいは永遠のような光景が本当に美しくて……私はただただ泣いた。


キャデラック:中山義紘
キザでスカして、レース中だってのにタバコをふかして、気まぐれでレースをリタイアするそんな自由さに人気が集まる万年リタイア男、走る根性なしと謳われるキャデラック!『ごちそうさん』は多少見ていたかな……程度だったが、やはり安定した芝居で存在感があった。最高にキザで、ほんの少し陰も匂わせて。タバコふかす仕草めちゃくちゃ格好よかったな……


蘭堂真紅郎:杞山星璃
本家でいうところのカルリシア。本作ではオリジナルを演じた客演の遠坂さんにその名を譲り、刀を腰に帯びて走るやべーやつ武士?になった。普通に考えると音速で余計なものを身につけて走るのって空気抵抗的な意味で非常に危ないのでは……でもそれを可能にするのが真紅郎なのか。
ストイックに頂点を目指し、豹二郎に挑戦する部分はオリジナルと変わらない。


ライデン:三好大貴
豹二郎の壁となり立ちはだかるチームアロイのランナー、ライデン。ランニングフォームがとても美しかった。末満さんもかつて演じたライデン。彼が強くなければ、強く見えなければ、この作品は成立しない。ライデンの存在なしにラストのカタルシスはありえないと言ってもいい。
豹二郎との勝負に対する執着。自らの強さ、存在理由。豹二郎とライデンが並んだあたりから私の涙腺は崩壊していた……そしてバーストの瞬間……走り続ける豹二郎……最高だった。らんくんがライデンで本当に良かったと思う。


ミラージュ・ミストレイ:松井勇歩
ごめん、お面のインパクトしか覚えてない……でもそのインパクトが強かったことは書いておこう。8枚のお面をそれぞれ被って分身のように見せて走るんだったかと思う(蜃気楼走法)
なおこのお面は次のイベントでの衣装・小道具抽選販売会で売られた(チェキ付き8枚セット8k)


黒川フランク:保村大和
チームアロイのオーナー。ピスタチオ版、及び2012年版から引き続き、Patch版でも演じているのはレジェンド保村大和!(2017年版では黒川フランクの上司・タイベリアス提督役)
けれどもそれまでの公演と何が違うかと言われれば、Patch版の黒川フランクはパン一に全身網タイツにヒールを履いたボーイズたち(繭期に分かりやすく伝えるなら、まんまダリ卿の椅子人、しかもDステ版をより濃くした感じ)を従え、高らかに歌いながら登場するのだ!!!
「決して枯れることもなく〜」から始まる黒川フランクの登場シーン。元々の演出でも(なんや変なやつ出てきた……)と感じさせるには十分なものだったけれど、歌う黒川フランクなんて後にも先にもこのPatch版だけだよ……登場のインパクトとしてはあまりにも大きく、黒川フランクというキャラを最大限に立たせる演出だったと思う。最高だ。
ボーイズ演出、目を患っている大和さんの、その補助的な意味合いもあったのかななんて今にすれば思う。
それからこの作品の名シーン(迷シーン?)としてお馴染みの「スタンプぺったん」も健在。スパイクと顔を見合わせ出方を伺う緊迫したあの掛け合い、大いに笑わせてもらった。
また元気で舞台に立っているお姿が観たい……そう願うばかりだ。


おまけ

冒頭に貼ったダイジェストを再び貼るよ(2:07〜2:51)

【劇団Patch】劇団公演ダイジェスト動画


これは稽古場映像で構成された予告編。
これはこれでエモい……

Patch stage vol.4「破壊ランナー」予告VTR

解説していいですか。しますね。
ダイジェスト動画で使われているのは私の大好きな、群唱から始まり、順にスターティングポイントへついてからのクラウチングスタート。通常走行からやがて音速走行へと突入し、集団がばらけて2707年のソニックラン、ワールドシリーズ第1戦、ユーラシアサーキットが開幕するオープニングシーン……はい、最高ですね。ここは予告編の方にもまさに冒頭から収録されているので(〜0:40くらい)是非見比べていただきたいところ。やっぱりセットがあって衣装を着て照明に照らされているとぐっと引き締まる……もっと長い映像くれ……
ちょっと記事を遡ってライデンの項で引用したらんくんのツイートに添付されている2枚目の写真を今一度見てもらいたいのだが、中央にどっしり構えたチャンピオン、豹二郎ダイアモンドの姿がとにかく格好良い。ワールドチャンピオンの風格!!
そしてこの音楽がまた格好良すぎるんですよ。セリフはなく、レースの始まりの静かな興奮を、そして加速を表現してくれる音楽とSE。強烈な逆光により表情が窺えないのがまたいい。照明はひたすら美しい。
ラスト、再び群唱が入る。
冒頭であんなにわくわくした同じ文言の群唱は、切なく悲しく美しく響き渡るのだ。

予告編の解説
0:50〜0:52/キャデラックと真紅郎の登場・インタビューシーン。
1:04〜1:06/DJ早井速三13歳!(吉本)膨大なセリフをめちゃくちゃ早口で捲し立てなければならないの本当に大変だと思う。
1:14〜1:30/黒川フランクのターン!山浦さんの演技を生で観たのもこの破壊ランナーが初だった……と繭期はしみじみする。
1:41〜1:43/取材陣に囲まれるトレオ(村川)とそれを退ける妹のアカネ(井上)「やめて!フラッシュをたかないで!お兄ちゃんは目が弱いのよ!」
1:44〜1:45/「我々リッチモンド四兄弟は、国際ソニックラン連盟に以下の要求を申し立てるものである」




↓これはあくまで2017年版上演の際の登紀子P(惑星ピスタチオ総合プロデューサー)の言葉だけれど……

こういう作品だからこそ、あの時のPatchが上演してくれてよかったなぁと思うのだ。