眠る回遊魚

溢れるパッションを記録する場所

『無伴奏ソナタ』を観てくれ

※これは感想ではなく、布教用記事です。


こんにちは、『無伴奏ソナタ』強火担です。
フォロワーの皆様方におかれましてはここ数日、特にTLをお騒がせしております。
でも初演の時も再演の時もそうだったのでどうか諦めてほしい。
これは短期決戦なんだ。
できれば劇場に足を運んでもらって、この感情を共有したい。その思いで今、こうしてつらつらと文字を書き連ねているのです。
(本当は初日を観てすぐに書き上げたかった……!しかしまだ滑り込める人がいるのではという一縷の望みをかけて、東京千秋楽を明日に控えこの記事を書いています)


どの演劇も劇場で観るのが一番だと思う。
それはもう、どの作品にもいえること。
当然、日程とか懐事情とか色々あるのは承知の上で、それでもなお、この作品には劇場で観る醍醐味があると声を大にして言いたい。舞台と客席の境が曖昧になるあの体験は、劇場でしか味わえないんだ!!!



f:id:hal_8:20180519133826j:plain:w350
http://www.caramelbox.com/stage/mubansou-sonata-2018/www.caramelbox.com

 

あらすじ

すべての人間の職業が、幼児期のテストで決定される時代。 クリスチャン・ハロルドセンは生後6ヶ月のテストでリズムと音感に優れた才能を示し、2歳のテストで音楽の神童と認定された。
そして、両親と別れて、森の中の一軒家に移り住む。そこで自分の音楽を作り、演奏すること。それが彼に与えられた仕事だった。彼は「メイカー」となったのだ、メイカーは既成の音楽を聞くことも、他人と接することも、禁じられていた。
ところが、彼が30歳になったある日、見知らぬ男が森の中から現れた。男はクリスチャンにレコーダーを差し出して、言った。 「これを聴いてくれ。バッハの音楽だ……」

 
 

無伴奏ソナタ』は、以下の人にオススメです。

・音楽、小説や漫画、映像etc.なにかしらの創作活動をしている
・これがなくては生きていけない、というものを持っている
・「天才の苦悩」「創作者の業」のワードにピンときた
ディストピアSFが好き
・人の幸せ、愚かさやエゴについて考えたい
・最近泣いてないから泣きたい
・暇だからなんかオススメの舞台が観たい


気になった方はすぐにチケットを取ってください。当日券を買いに行ってください。
キャラメルボックスの当日券は先着順です。
劇団主催公演では早く着いた人には椅子も用意されてるので座って待てるという親切仕様。とりあえず行けばきっとなんとかしてくれます。

まずは劇場へGO!



【東京公演】★
5/16(水)〜5/20(日) ※千秋楽は13:00
池袋・サンシャイン劇場

【栃木公演】
5/22(火) 18:30 栃木県総合文化センター

【愛知公演】
5/24(木), 25(金) 19:00
東海市芸術劇場

【松本公演】★
6/2(土) 14:00 まつもと市民芸術館

【大阪公演】★
6/23(土) 13:00 / 18:00, 24(日) 13:00
サンケイホールブリーゼ

★…劇団主催公演
24歳以下および60歳以上の方4,000円の割引チケット、各会場の初日の半券を持って翌日以降の当日券を購入すると半額になる初日特典、当日まで余った席を半額で購入できるハーフプライスチケット(東京、大阪のみ)etc.が利用できます。詳しくは公式サイトをご覧ください。

半額でなら観てみたい、明日の東京千秋楽に当日券チャレンジするよ!という人は私の初日半券お譲りできますのでお気軽にお声かけください。愛知・大阪で使いたいよっていう遠方にお住まいの方の場合はすぐ送るからDMしてくれ!
※5/20追記:当日券チャレンジしてくれたフォロワーさんにお譲りしたので現在募集はしていません。



↓初演の映像を使用したダイジェストムービー。ネタバレしてますが「全く知らないものに金は払えん!」って人は見てみてね。※消えてしまったので差し替えました
youtu.be




(以下、時間があればどうぞ)
 


2012年に初演。私は初めてのグローブ座だった。シンプルな五線譜で囲われただけの舞台美術を見て、どんな物語が待っているのだろうとワクワクした。だばだば泣いた。
2014年に異例の早さで再演。Twitterで怒涛のダイマをしたら9人ものフォロワーさんが劇場へ足を運んで観てくれた。
そして2018年。こんなに早く再々演が拝めるとは正直思わなかった。

毎年2作は必ず新作を用意するキャラメルボックスの再演スピードは、本来そんなに早くはない。7,8〜10年ぶりなんてザラだ。
だというのに『無伴奏ソナタ』はたった6年の間に3度の上演。いかにこの作品が支持されており、上演を熱望されているかが分かるだろう。
(なお今回の上演は長野県の高校の学校行事として観劇したいという打診からツアー実現の運びとなったようで、長野の高校生がめちゃくちゃ羨ましい)


キャラメルボックスの基本は王道のザ・ハッピーエンド。
老若男女問わず基本的に笑って泣けてスピーディな展開で、さわやかな涙を流してデトックスして明日への希望を持って颯爽と劇場を後にすることができる劇団だと思っている。
こういう劇団だ、といえるのは強みだと思う。正のエネルギーを補充したいと思った時に選択できる劇団だ。

まぁそんなわかりやすくキラキラ眩しいハッピーエンドばかりの作風が苦手という人も一定数いるのは知っているのだけれど、今作はそんな方にもオススメできると思う。
逆にいうと、いつものあのキャラメルボックスを期待してしまうとキラキラ眩しい正のエネルギーは得られないかもしれない。
それでもこの作品は「生」のエネルギーには溢れている。


この作品は原作モノである。
『エンダーのゲーム』などで知られる作家、オースン・スコット・カードの同名短編集の表題作である。

原作モノを手掛ける成井豊はな、強いんだぞ……
文庫にして30ページ程度の短編を、よくもまぁ上手いこと膨らませて2時間の芝居に仕立て上げたなぁとその手腕に感心する。


あと音楽がいい。
キャラメルボックスの劇中使用曲のおかげで知ることができた曲・ハマったバンドなどはいくつもある。ZABADAKもamazarashiもそうだ。
今回だと再教育センターのシーンでかかる作編曲家・未知瑠さんの『盗人-The Thief-』がたまらない。なんとこの曲含む1st Albumがつべに公式で上がっているから是非聴いていってくれ。2nd Albumもいいぞ。
youtu.be



この作品には沢山の歌が出てくる。
それでもやっぱり、シュガーの歌を聴くとたまらなく切なくなる。
初演も再演もそして今回も、劇場からの帰り道、自然と口ずさんでいた。観たらきっとあなたもそうだと思う。
どうかクリスチャンの作ったこの曲を、歌い継ぐ1人になってほしい。